2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『童貞』とはなにか

けいおん!映画かもそうですがCD発売を今か今かと待ち望んでいる唯です。童貞が表す性質とは何か?これは難しくKJにとっては重要な問題でございますね。 ルサンチマンやモラトリアムという言葉は、『性質』の一端は表しますがそれ自体ではないという理解を僕…

消滅の技法 トーマス・アルスラン『売人』(1999)

「抑制が効いている」という標語は、映画評の文言として出てくると、途端に「退屈」の同義語として受け取られてしまう。なぜなら、そこにはアクションを助長するような心情的意味づけも、心理的意味づけを助長するようなしぐさもないからだ。しかし、このも…

白い西荻

後藤へこのメールをもって、私の西荻会主催者として最後の仕事とする。 まず、西荻会継続のために、誓に西荻窪への移住をお願いしたい。以下に、西荻散策についての愚見を述べる。 西荻窪を歩く際、第一選択はあくまでシタールの女の子であるという考えは今…

ふたつの時間  テオ・アンゲロプロス『霧の中の風景』(1988)

男の子よりも、ずっと早く女の子は成長する。 物事にはなににつけ、知るまでに要する時間というものがある。 このありふれたふたつの命題に息を吹き込んだ映画として、『霧の中の風景』(1988)は記憶され続けることだろう。実際のところ、このふたつの…

(その三十三) 芳子某

「あんた、北海道でバスガイドやるための秘訣ってわかる?」 芳子はかつて職場の先輩の花江に、そう聞かれたことがある。まじめなことがとりえで、自分でもそう思っている人間特有の鼻持ちならない愚鈍さをのぞけば、仕事もてきぱきとこなす芳子は、語尾が心…

夏目漱石『続・軽音』

月日のたつのは早いもので、私たちもとうとう三年生になってしまった。軽音楽部の同級生がみな同じ学級だというので、これは何かあるなと思っていると案の定、マドンナが担任であった。何にせよ、かれらと同じ学級になれば便利には相違ない。宿題の写しも頼…

夏目漱石『軽音』

生まれつきの天然でゴロゴロしてばかりいる。小学校の時分、調理実習で蛸焼きを作る際、蛸を忘れたことがある。同級生の和が恨めしそうに見るので、蛸なしでもおいしいねと言ってやった。おやじと母はやたら海外に出かける。年頃の娘を置いて海外旅行もない…

それはちがう

思想がバイアスなんじゃない。 認識それ自体がバイアスなんだよ。