2012-01-01から1年間の記事一覧

ジェリー・ルイス 適応の問題

スラップスティックの伝統にもたらされた革新のひとつは、「適応」という身振りをめぐって観察することができる。「適応」は社会の掟であり、強制されながらもしだいに流暢に、掟の手前で人は果てるところを知らずに問い続けなければいけない。「適応」が単…

(その九十一) 森繁久彌

意地悪なところはあるし、偏屈のふりはしてみせるし、最初はあまり好きになれなかったとか、台本にせよ脚本にせよ、〈台〉や〈脚〉なんだからと言ってどんどん自分で直してしまうのが不遜に思えたとか、森繁さんについてはこっちが素直になれるまで、ずいぶ…

(その九十) あるところで思考が停止してしまう人達

道路公団民主化の推進委員会が、最終答申を出す前に大揉めに揉めて、委員長の今井某が委員長を辞めちゃった。「七人の侍」と言われてたのが、五対二で割れて、「七人の侍の中に野武士が入ってる」とまで言われる。「感情のもつれ」というところまで行っちま…

湯屋にて

私は最近いくらか抜けている。『浮世床』を読んでは寒気に震え、部屋に閉じこもっても近隣の建て直しの工事音が耳について離れない。たまりかねて、私は銭湯の暖簾をくぐった。 服を脱いで引き戸を開けると、視界が曇ったので初めて眼鏡をかけたままなのに気…

それでもなお、人を愛しなさい

逆説の十カ条 1 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。 それでもなお、人を愛しなさい。 2 何か良いことをすれば、 隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。 それでもなお、良いことをしなさい。 3 成功すれば、うその友だち…