2012-03-11から1日間の記事一覧

(その九十二) ジョン・エドガー・フーバー

アイゼンハワー時代を通じて、私たちは平穏無事にFBIトップの地位をまっとうし、足りぬものは何もないという満ち足りた気分を満喫していた。だが、だからといって、自らの心の奥底に根ざす大きな苦悩からエドガーが少しでも解放されたかというと、そうで…

(その七十) 藤田嗣治(2)

学校で絵を描いていたら誰かが、面白いぞ、と大声をあげながら教室へ入ってきた。今なア、美術館に行って、お賽銭箱に十銭投げるとフジタツグジがお辞儀するぞ。本当だった。隣の美術館でやっている戦争美術展にさっそく行ってみたら、アッツ島玉砕の大画面…

ジェリー・ルイス 適応の問題

スラップスティックの伝統にもたらされた革新のひとつは、「適応」という身振りをめぐって観察することができる。「適応」は社会の掟であり、強制されながらもしだいに流暢に、掟の手前で人は果てるところを知らずに問い続けなければいけない。「適応」が単…