2010-08-23から1日間の記事一覧

(その二十六) サマセット・モーム

私は彼がじっさいはかなり暗い人間で、淋しがりやではないかと思っています。彼が七十歳の誕生日についてしるした文章はかなり陰気なものです。私が察するところ、彼はあらゆる意味で淋しい人生を送ってきていて、人間に感情的な興味はあまりないという態度…

(その九) 見栄とつつましさ

マクヒィス おい、可愛らしい下着じゃねえか。 淫売 揺り籠から棺おけまで、まず下着だあね。 年とった淫売 あたいは絹はいっさい使わないことにしてんの。お客がじきに病気だと思いやがるからね。 ベルトルト・ブレヒト『三文オペラ』千田是也訳 岩波書店88頁