2013-10-14から1日間の記事一覧

(その百二十五)黄アス弐等久大佐

人に頼みごとなどなにひとつできない性格だったにもかかわらず、彼がその長すぎる人生のなかで、そのために不利な立場に置かれるようなことはなにひとつなかった。海軍時代においてもその後の公職追放時代においても、それは変わらなかった。ある種の命令系…

(その百二十四)アウグスト・ファルンハーゲン

彼が好かれなかったのは、あれほど融通無碍だったくせに妙に原則にこだわる頑ななところがあるのと、まわりの雰囲気に鈍感なのと、なににつけすぐに白黒をつけたがって問題を先鋭化させてしまうせいだった。 ハンナ・アーレント『ラーエル・ファルンハーゲン…