2011-04-12から1日間の記事一覧

喜劇の上昇運動 『ロイドの要心無用』(1923)

『ロイドの要心無用』(1923)の上映時間は六七分だが、体感としては『キートン将軍』(1926)の二倍ほどに感じられる。後者はいくつかのヴァージョンがあるとはいえその上映時間がおおむね七五分から一〇三分であることを考えれば、この印象は考察…

ピューリタン風のディズニー映画 エルンスト・ルビッチ『天国は待ってくれる』(1943)

戦時中に製作された、ひとりのドン・ファンの生涯を描く映画――ということで、猟色家のカサノヴァの人生をいろどるにふさわしいエピソード群(性の目覚め、恋の手練手管、駆け落ち、不和をまるめこむ巧みな話術、数々の浮気)をまとめるエルンスト・ルビッチ…