2013-04-02から1日間の記事一覧

(その百十六)ミディPスメル13

三人の浮気相手とつつがなく恋愛をしていたミディPスメル13は、四人目を申し出たいちばん若い男に殺されたが、彼のなまえを最後までおぼえられなかったのが唯一の心残りだった。

(その百十五)フェルディシチェンコ

それは年のころ三十ばかりの、背丈の低くない、肩の張った、赤毛の大頭の男であった。その肉づきのいい顔は赤らみ、唇は厚く、幅広の鼻は低く、小さなどんよりした眼は皮肉の色を浮かべて、まるでひっきりなしに瞬きしているように見えた。全体的に見て、こ…

(その百十四)プリンシパル倉敷ルロイ

「もっと働こう」がモットーのプリンシパル倉敷ルロイは、意識がこと切れた瞬間ですら全身をながれる血の速度を上げようとひたすら心拍を速めていた。